高速道路の二輪車乗員死者数は減少していない。
1990年前半、原付と自動二輪車(バイク)を合計した二輪車乗車中の事故死者数は、同時期2,000人を超えていたものが近年600人程度まで減少してきました。
ですが、二輪車乗車中の死者数を一般道と高速道路に分けると、一般道での死者数は明らかな減少傾向を示しているのに対し、高速道路の死者数は減少傾向にありません。(上のグラフ)
※高速道路の総延長が年々延びてきている背景がありますので、総延長あたりの二輪車乗車中の死者数を見ると減少傾向を続けていましたが近年横ばい状態です。
高速道路における事故類型の傾向
二輪直進/四輪車線変更で事故となった場合「衝突・接触」となる場合が最も多く、「追突」となる場合も少数ですが存在します。
※「追突」も「衝突・接触」のうちの一つですが、ここでは衝突・接触の中でも追突以外を「衝突・接触」と呼んで区別してます。
「二輪車直進/四輪車線変更」での追突以外では、二輪は「人的要因なし」が半数程度で、人的要因の中では、「動静不注視」(事故相手の存在を認識していたが、危険性がないと注視を怠った)が大多数となっています。
高速道路における二輪車事故の特徴
1.二輪車乗員が死亡する事故は、約6割が車両単独事故
2.死傷事故は車両相互事故が約7割
3.車両相互事故は、二輪車が直進しているところに四輪車が、車線変更して来て事故となるケースが多い。
主な原因は、
・四輪車の車線変更時の安全確認不足
・二輪車側の注意不足
・本来認められていない車両間のすり抜け、路肩走行。
二輪車・四輪車の走行の注意点
1.空いている車線を走行する場合でも、隣り車線の車両の動きを見逃さない。
2.並走する車両群と大きな速度差で走行しない。
3.四輪車の運転者においては、車線変更時に二輪車が後方から来ていないか、という意識を常に持ち安全確認を確実に行うこと。
高速道路の二輪車乗車中の死者数は、1990年代前半と比べ明確な減少傾向とはなっていません。
事故を無くすためには
・自分の車両は、同方向を走行する車両から全て認識されていると過信しない。
・周囲の四輪車の動向を常に確認し、急な車線変更等でも対処できるよう予測運転をする。
安全に運転して、楽しいツーリングやドライブをしてください。
公益財団法人 交通事故総合分析センターさんのページを参考にさせていただきました。
https://www.itarda.or.jp/